■≪英雄の条件≫★★★ネタバレあり
中東イエメンでアメリカ大使館が、大規模なデモ隊に包囲され、海兵隊が大使家族を救出する。その際、80名もの一般市民が海兵隊の無差別銃撃によって死亡する事件が起き、全世界から批難をあびる。その軍法会議が話の中心。
最初のベトナムでの話、そして、イエメンの救出劇と、迫力の戦闘シーン。力みなぎる画面だ。監督はお懐かしいウィリアム・フリードキン。まだ現役なんだ。≪エクソシスト≫が有名だけど、それよりも
≪フレンチコネンション≫のスピーディな演出の方が印象に深い。
主人公のチルダース大尉が市民発砲を命令するのだけど、話の流れとしては、市民に発砲した彼が勝訴するまでの話になるんだろうなと読める。しかしどう見ても彼に勝ち目はないように見える。どうやって勝つのだろうワクワクと思って見てたらなんのことはない、画面にウソがあったのでした。
要は市民が武装していたかどうかなんだけど、最初の画面では普通の市民、女子供もいる市民がどんどん殺されていく。一方的な殺戮のように画面はとっている。しかし、最後の再現シーンではその市民たちが憎憎しい顔をして発砲している画面に切り替わる。
最初救いようのない状況が提示され、どう話をつけるのだろうという興味で見ていた私はがっかり。詐欺みたいなもんじゃないかと思う。
そして、その証拠となるビデオテープは証拠隠滅されて、推測の話で終わってしまうのも、物足りない。実話風なのでしょうがないかもしれないけど。テープのコピーがあるとか起死回生の証言があるとかすっきりした解決が見たかった。
市民が発砲している証拠が一切ないというのだけど、それでは誰が武器をかたづけたのか。かたづけるとこを誰か部隊の者が見ているのではないのか。市民に向けて発砲している時、市民が武器を持っているとこを誰も見ていないということがあるのか。壁についている銃痕の角度などから下からも撃っていた事実が確認できるのではないか、デモグループを調査すれば、武器の供与の確認がとれるのではないかと疑問は山のように涌きすっきりしない。
そして、市民が発砲していたとして、今度は逆に市民全員が発砲していない以上、市民に混じって発砲しているグループがあるという状況になるわけで、その時市民全体をターゲットに発砲することが許されるのだろうかと思う。下から撃つということは戦闘としては不利だろうからじっくり対戦して危険な市民と普通の市民を選別する必要が出てくるのではないか。
なんかどうもすっきりしない映画だった。
戦闘シーン、法廷シーンはなかなか見ごたえはあるのだけど。(01.5)