≪ヴァイブレータ≫★★★ 04.08.26

芥川賞候補にもなった赤坂真理の同名原作を映画化した男女の孤独な物語。心に問題を抱える女が、コンビニで出会った男との行きずりの恋に癒されていく。体当たり演技に挑んだ寺島しのぶは、その後数々の優秀女優賞を受賞。

第77回本誌日本映画ベスト・テン第3位、日本映画主演女優賞(寺島しのぶ)受賞、日本映画新人女優賞(寺島しのぶ)受賞、日本映画助演男優賞(大森南朋)受賞、日本映画脚本賞受賞、第60回ヴェネチア国際映画祭出品、第46回ブルーリボン賞主演女優賞(寺島しのぶ)受賞、第25回ヨコハマ映画祭2003年日本映画ベストテン第1位、作品賞受賞、監督賞受賞、脚本賞受賞、主演女優賞(寺島しのぶ)受賞、助演男優賞(大森南朋)受賞、第16回東京国際映画祭コンペティション部門出品、優秀女優賞(寺島しのぶ)受賞、日本映画ペンクラブ賞会員選出ベスト5日本映画第5位、芸術文化振興基金協賛作品。

最初のモノローグ。
「 3月14日はホワイトデー。男の子は女の子の愛にこたえる日。
テメーらこんな人工欲情装置にひっかかるってるんじゃネー」

「自分のモノを考える音がうるさい」
なんてのは言い得て妙。
酒を飲むとそのうるささが消えるというアルコール中毒。さら吐くのが趣味。
吐くことは三度楽しい。食べて楽しい、吐いてダイエットできて嬉しい、それで安心して眠れる。

そんな心の病を抱えた寺島しのぶがコンビニでふと見かけたトラック野郎についていってしまう典型的なロードムービーです。たぶんこんな感じで熱演するんだろなという感じの熱演でした。

相棒のトラック野郎は以前風俗のマスターやヤクザの運び屋なんてやっていて、この男の話のが面白い。
トラックのいろんな裏話など、取材が行き届いていている。

麻薬を冷凍マグロの中に入れて運ぶ。冷凍しているので麻薬犬も分からない。受け渡しした後、マグロもまた売れる。
そんな仕事は大手はしないし、住所がはっきりしないと持ち逃げされるので完全にフリーな人にも頼めない。
なんてホントにありそうな話。この映画の特長はリアルさですね。二人の確かな演技と的確な人物描写と行き届いた取材。

ほとんどこの二人しか出ないで、モノローグで、活字挿入で話は進んでいく。

ストーリーよりも、人物を深く描いていくというのはちょっと懐かしい感じの日本映画の手触り。このシナリオの荒井晴彦あたりの作品性なんでしょうね。
好感は持てるのですが、今一女性の心情についていけないとこがありヨソの人の話を聞いてる感じがあった。
これは自分のことだと思える人もいるはずでその人には心に残る一本になるのではないかと思う。