≪HERO 英雄≫★★★★☆ 04.01.31

第75回アカデミー賞で外国語映画賞にノミネート、第53回ベルリン国際映画祭では特別賞を受賞。本国中国では映画史上最高の興行収入を達成しただけでなく、観客動員数ではそれまでに公開されている台湾、韓国、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、タイなどでも、軒並み第1位となる。

監督は『あの子を探して』『紅いコーリャン』『初恋の来た道』のチャン・イーモウ監督。

スタッフは、アクション監督に『スパイダーマン』『少林サッカー』を手がけたチン・シウトン、撮影監督に、『欲望の翼』『恋する惑星』などのクリストファー・ドイル、作曲に『グリーン・ディスティニ−』でアカデミー賞最優秀作曲賞を受賞したタン・ドゥン、コスチューム・デザインに、アカデミー賞衣装デザイン賞の受賞経験のあるワダエミ。これに『マトリックス』のCGチームという布陣。
キャストは、『リーサル・ウェポン 4』『ロミオ・マスト・ダイ』のジェット・リー、『恋する惑星』『花様年華』のトニー・レオン、『宋家の三姉妹』『花様年華』のマギー・チャン、『初恋の来た道』『グリーン・ディスティニー』のチャン・ツイィー。

アクション映画を見てこれだけ「美しい!」と思ったのは初めてですね。
イチョウの葉を自在に操って、その中での対決や、水上での舞のような対決。原色で画面を統一して、色分け対決になっている。

チャン・イーモウ監督の色彩豊かな映像に対するこだわりは尋常ではなく、内モンゴルにある胡楊林の林での撮影シーンには、ロケ地にスタッフを一人派遣し、紅葉の様子を逐一ビデオに撮って報告させ、完璧に紅葉するやいなや撮影隊はロケ地に急行すると、落ち葉を色分けし、階級に分けて同時に3、4台のカメラを回したという。

というのですがもっともです。

矢が山のように高密度で降ってくるとか、大部隊をモノともせず斬り込んでいく二人とか。≪マトリックス≫を中国的風にするとこうなるって感じでしょうか。

いずれもワイヤーアクションが主体で、≪マトリックス≫にはお貸ししただけ、本場はこうだ!って感じで飛び放題とクルクル回り放題となっています。
といって、決闘するのに、いきなり空を飛んでぶつかりあうというのは少しいかがなものかと思わなくもない。鉄腕アトムとスーパーマンの対決じないんだから。

アクションもこうなると京劇の舞に近いものがあって、汗やスリリングを感じない。
これはこれで様式美主体のアクションの一スタイルなんでしょうね。

監督はアクション映画の名匠なのかと思ったら
あの
≪あの子を探して≫≪紅いコーリャン≫≪初恋の来た道≫のチャン・イーモウじゃないですか。
ワタシが唯一追っかけて見てる中国の監督です。どちらかというと女の子をキレイに撮る地味目な監督と思っていたのでびっくり。

しかし、贔屓にしていた監督がこうやって、世界的になっていくのはうれしい。あの美意識がアクションにも活かされているということなんでしょう。

せっかくの美麗空間。続編出来、是非、映画館欲見。