≪刑務所の中≫★★★★☆ 03.10.05
| 服役経験のある花輪和一原作の人気コミックを映画化。刑務所内の人間模様が丁寧につづられ、絶妙なユーモアをかもし出す快作だ。意外にのどかな囚人たちの生活が痛快!監督
崔洋一 出演 山崎努/香川照之/田口トモロヲ/松重豊/松村利史/大杉漣/伊藤洋三郎 |
入院していて食欲がある場合、食事に何が出るかが、日々の最大の関心事になるそうです。変化のない生活だとそうした比較的瑣末なことが重大事になっていく。
てなことが、刑務所だったらもっとすごいというのがこの映画のコンセプトです。
原作はマンガで実体験に基づくノンフィクションマンガとして話題になった。
映画もキネ旬のベストテンで2位と評判をとった。
映画でも食物がどんどんうつされ、甘いものが一番のご馳走で、ご飯に醤油をかけて食べるとうまいといったことが重要なこととして描かれる。
主人公、花輪は独房に入れられるのだけど、封筒貼りのような作業は楽しいし、わずらわしい人間関係はないし、このままずっとここにいてもいい。まるでユートピアとしみじみ思ったりする。
外部からの刺激を極端に制約するとこうなってしまうだろうなというあたりがおかしい。
こうした微温的な生活がホントの刑務所の生活なのだろう。
どこか僧の修行のようなとこがあって、一週間くらいなら刑務所の生活も雑念がとれていいものかもしれないなどと思う。
翻って今の生活を考えると、あまりに雑念、刺激が多すぎて、菓子パンを心から喜んで感謝して食べられる感性を失ってるんですね。
塀の中にいると実社会の自由が魅力あふれたものとしてこれまでは描かれていましたが、そうしたものに疲れ果てて、あまり魅力を感じていないと、塀の中の雑念、刺激カットの生活のほうが本来の人間の生活のようで、ステキなものに見えてくる。
笑いながらちょっと考えさせられる映画でした。