≪キル・ビルvol.1≫★★★★☆ 04.04.28
| 「パルプ・フィクション」の鬼才クエンティン・タランティーノ監督が6年間の沈黙を破って復活。クールなヒロインの壮絶な復讐バトルを描く、新感覚のバイオレンス・アクション。
、結婚式当日にかつてのボス、ビルの襲撃を受け、夫や身ごもった子供まで殺されてしまう。4年後、昏睡状態から目覚めた彼女は、ビルへの復讐を決意する……。 |
まるで劇画の実写版のような作品の作り。中にはホントに劇画風アニメの場面が出てきたりする。
話も単純な復讐もの。血糊が噴水のように飛び回る。
B級映画の典型のような作りで、サクサクと見ていられる。復讐する相手と出会うと、クィンシージョーンズのアイアンサイドの曲が流れてくる。日本人には「ウィークエンダーテレビ三面記事」でお馴染み。リアルさとはほど遠い作劇。
B級といっても、タランティーノなので、つくりはかなり知的。これまで影響を受けた作品を消化してパロディというのかオマージュとして表現している。原典は知らなくても意図的に漂うB級の雰囲気だけで楽しめる。
大半は日本が舞台で、本人は、日本を舞台にする映画は陳腐な表現が多くて、それを正したいなどと言ってるけどこれもかなり陳腐。しかし、それを狙って、楽しんでるとこがあって、クセモノだ。
刀に対するただならぬ思い入れがあるようで、飛行機の座席の隣に刀BOXがありそのまま差していたり、単車の後に棹のように立てて走ったりと銃刀法違反が意図的に出てくるのも狙ってる陳腐さだろう。
《修羅雪姫》のテーマ曲や「怨節」が流れてくる。これが分かるのは日本人でどれだけいるか。まして外人が見たらどう思うのか。鋭い計算が働いているのか、ただ面白がって好きなものを並べているのか意図を探るとかなり複雑な視点を感じる。
シンプルにして複雑にしてウェルメイドってあたり、vol.2を映画館に見に行ってもいいなと思う。そういえば、vol1が、ビデオで出たくらいにvol.2の映画が上映される。これは意図的でしょうな。
ただB級映画というオモチャ箱をひっくり返して、遊び倒してる感じは、楽しめるけど、それが強すぎて、登場人物に対する感情移入があまりない。
ミュージシャンで言えばカバーアルバムのようなもので、これをもってアクション映画の新機軸とかタランティーノの代表作といった評価にはつながらない。
面白いけど佳作以上にはならない。
「「キル・ビル」元ネタ辞典 」
というサイトがあってなかなか面白い。