≪21グラム≫★★★★ 04.11.22

全く知らない同士の女1人と男2人が1つの心臓をめぐり引き合わされていく。主演に『ミスティック・リバー』のショーン・ペン、悲劇の母親を演じるのは『ザ・リング』のナオミ・ワッツ、人生のほとんどを刑務所で過ごしたクリスチャンの男に『トラフィック』のベニチオ・デル・トロ。この主演は3人とも第76回アカデミー賞にノミネートされている。監督の『アモーレス・ペレス』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。

今年見た映画で一番暗い映画。
もしかしてここ2.3年の中でも一番暗いかも。

交通事故のひき逃げ犯の家族と被害者の家族。それに被害者からの心臓移植を受けた家族がからんで、ほとんどいつも頭を抱えているような映画。

ショーンペンは≪ミスティック・リバー≫もそうだったけど、独善的な行動で周囲を混乱させるという役が似合いますね。ここでも心臓移植の提供者を探ってとっぴな行動に出る。

感情移入してしまうのは、加害者役のベニチオ・デル・トロ。この人カミソリみたいな目をしていて、これが非情な殺人者なんて役にあってるんだけど、ここではそれが悲惨な人生を象徴してるようでなかなか説得力がある。

敬虔なクリスチャンで、休みには協会に行っている。けど、刺青をしてるので仕事はクビになり、事故をおこして、恐くて逃走。後で自首する。二人の子どもはかわいいし、奥さんもしっかり者。本人もなんとか更正しようと宗教にもすがってるんだけど、人生は悪い方向にばかり進んでしまう。

ワタシは暗い話、好きなので、面白かったです。このくらい暗いほうが明日への活力につながる。映画の中にも出てくる「人は何度死に、何度生きるのか」「それでも人生は続く」というのがテーマですね。悲惨な人生でも受けて立たねばなりません。

タイトルは人は死んだとき21グラム軽くなるというとこから来ている。チョコレートバーくらいな重さ。そんなに軽いもののためにこんなに苦しまなくてはならないのかという意味合いかと思います。
もっと宗教的な話かと思ったらそうではありませんでした。

問題なのはいろんなレビューに書かれているけど、時間が前後してバラバラに語られること。狙いが分らなくもないけど、意味もなく難解になってしまってあまり好きではありませんね。

とにかく暗い映画大好きという人にオススメ。その際ストーリーは少し頭にいれといたほうがいいかもしれません。