≪竜馬の妻とその夫と愛人≫★★★☆ 04.02.28

人気脚本家・三谷幸喜の舞台劇を、「東京マリーゴールド」の市川準監督が映画化。亡き竜馬にかかわる男女4人が、にぎやかな恋のさや当てを繰り広げるラブ・コメディ。

市川準監督はさらっと日常生活を切り取り、暖かく目線で描くのがうまい人で、≪病院で死ぬということ≫以後のどの作品も好きだ。

その市川監督が三谷幸喜の舞台にほれ込んで、映画化を懇願し、三谷さんも了承してシナリオ化したのが本作品。
それだけのいい話回路を経てできているのだけど、しあがりが今ひとつビリッとこない。

竜馬の亡き後、奥さん鈴木京香が、一緒になっているのは、三下テキヤの木梨憲武。
それに、竜馬そっくりの江口洋介が登場、三角関係になっている。
そこに竜馬の十三回忌招待のために現れた中井貴一がからんでほぼ四人で、長屋を舞台として話が進む。

当然ながら舞台の映画化でその空間をあまり出ないまま濃い人間関係が進んでいく。
その濃さが、なかなか面白いのだけど、舞台ならもっと面白いだろうなと想像されるところがつらいところ。スクリーンてはなかなかはじけない。

市川監督の目線もウチ、ウチに向かうタイプのものだけど、舞台人の呼吸とは違うんでしょうね。それと、ここでも、木梨憲武と中井貴一がかなりコミカルなやりとりで面白いのだけど、舞台ならではのしつっこく笑わせる力というのが市川監督の体質とはあわないように思う。

というわけで、どこかバランスがうまくとれないままに、それでも一流の人ばかりなので、合格的には達してるというところ。
中井貴一の引きだしの一つの小心者の演技がうまくコミカルな演技になっていて感心した。
江口洋介はここでの竜馬もどきの演技がそのまま大河ドラマ「新選組!」に繋がってるのも面白い。