■「千と千尋の神隠し」 ★★★★  02.08.23
      
 ようやく見ました。これだけ大作ともなると、先入観が大きくて、見ながら「さすが大ヒットしただけあるな。」とか「これでよく大ヒットしたな。」とか何につけても視線がそちらにいってしまう。

 前者のいいところは、宮崎監督のイマジネーションの圧倒的豊穣さでしょうか。現実的でない一つの町を描いて、出てくるのも万の神といっても異形のものばかりで、どれも創造しなくてはならない。建物、道具、人物、それが圧倒的なイマジネーションで描かれていてなかなかのスケールです。

 特に上のような風景の明治大正あたりの雰囲気を斬新にしたような雰囲気は独特で心地よい空間ですね。
 天才宮崎さんの頭の中を映画を通してのぞくことができるなんてありがたいことです。

 後者のつまらないところは、見終わるとやはり残るものが少ない。基本的に少女の成長物語なので、少しどうでもいい。
 金を積まれても「そんなのいらない」と言ってのけるいい子ぶりで、主人公だから当然でしょうが、なんだか物足りない。

 宮崎監督がインタビューの中で「いい映画は、映画館を出たときに入ったときより高い地面を歩いているような感じになるものだ。自分はそういう映画作りを目指している。ディズニ−の映画は面白いけど入ったときと同じ地平で出てくる。」と言ってました。
 いい映画を見たときの高揚感をうまく伝えていると思います。

 が、私にとってはそう地面が上がった感じもありませんでした。トトロなんかの方があがってましたね。
少し不満も残りますが、イマジネーションの豊かさに圧倒されたほうが強い。非常に美しい画面に息を呑まされたのでした。