■≪少林サッカー≫★★★★☆ 02.11.23
昔のおバカな香港映画の復活かと思って見ていたのですが、ちょっとそれより上等の映画です。
ゴールキーパーがブルース・リーの真似でボールを受けるシーンがある。ゴール・キーパーのアクションが、ちょっときどったブルース・リーのアクションと合うなんてセンスがなかなかいいんですね。
しかもそのキーパーが倒れてタンカーで運ばれるとき、サングラスをする。これはブルース・リーの棺の遺体がサングラスをつけいていたことからきてるのだと思う。
おバカな映画だけならそんなセンスはなかっただろう。
それとCGの多用ですね。以前のB級香港映画は、完全肉体派で高いとこから飛び降りるとか、ガラスの上に倒れるなんて勢いで見せていたのが、この映画ではかなりうまくSFXを利用している。少林寺の型をしながらボールを蹴るのだけど、ボールにワイヤーアクションをさせることはできないだろうから多くはCGのボールなんだろうと思う。このあたりのミラクルショットはなかなか迫力がある。この映画を見てワールドサッカーを見たらつまらなく見えたというのも分る気がする。
懐かしいゴジラ映画を見るつもりが内容はメカゴジラだったといった感じで、知的に作りに感心したのでした。
といっておバカなパワーが落ちているわけではない。
最初バナナの皮で滑るシ―ンでそのあたりいっぱいバナナの皮が落ちているとか、少林寺をすると縦列駐車がカンタンとか、急に歌いだすヘンな男とか、街中でダンスとかバカバカしい作りが楽しい。
ゴールキーパーの火の玉連続キックでズタズタになるシーンなんて、他のヤツは何やってんだと言いたくなるが、そういうつじつまを気にしないで作って、見るほうにもそんなことを気にさせないだけのパワーを持つというのが昔の香港映画の骨頂だったのがそのまま生きている。
これだけSFXで補強をしながら、繊細な知性も持ち合わせつつおバカなパワーも失わないというのはちょっとすごいのではないか。
監督は主役の人で脚本も書いているチャウ・シンチー。ちょっと他の作品も見たくなっている。
PS チャウ・シンチーを漢字で書くと「周星馳」。おっ、これは、反対から並べると「馳星周」となる。あのハードボイルド小説家の「馳星周」は香港のスターの文字を反対から書いたと聞いていたが、この人だったんだ。
なんでも香港ではジャッキー・チェンとチャウ・シンチーの映画は別格扱いなんだそうだ。