≪それでもボクはやってない≫★★★★★2008.01.22
面白い!!!
映画ってどこか退屈しながら見てるってとこがあるが、たまに胸ぐらを掴まれて一気に持っていかれることがあって、そうした一本でした。
脚本が相当練りこまれていて、会話の一つ一つが鋭く迫ってくる。登場人物のキャラ付の演出が念入りでリアルさを出すために周到に演出されている。特段アクションも特撮もないのだが脚本、演出という本筋でこれだけの力を持つのかと思う。
社会派の映画ということになるが、正義を声高に主張するというわけではなく娯楽性を失わない。ドラマチックに仕立てたりもしない。
途中家族が傍聴席に知り合いをたくさん連れてきて、そのことに主人公が不快感を持つというシーンがあるが、そこで主人公が感謝、感動して観客の感情移入を狙う演出もあるのだろうが、そういう場面で主人公を突き放す。監督の立ち位置の中立性で知的なものを感じる。
これだけシンプルなスタイルにしても大丈夫という計算は取材等の準備の入念さにあるのだろう。ホンモノならケレンを加えて無くても感動させられるわけだ。
身近なテーマを豊富な情報量をもって深く描いていくあたり師匠の伊丹十三を連想するがこれでもって伊丹十三を越えた。
『≪Shall We ダンス?≫の周防正行監督が、11年ぶりにメガホンを取った本格的な社会派ドラマ。電車で痴漢に間違えられた青年が、“裁判”で自分の無実を訴える姿を、日本の裁判制度の問題点を浮き彫りにしつつ描く。ハリウッド映画≪硫黄島からの手紙≫に出演し、世界的に注目を集めた加瀬亮が、本作で初主演を果たす。主人公を弁護する弁護士には、瀬戸朝香、役所広司らがふんする。3年もの歳月をかけて“裁判”について取材した監督が、現代の日本における“裁判”の現実を突きつける。』