≪トロイ≫★★★ 04.11.21

紀元前12世紀に起こったとされるギリシャ神話の悲劇を題材に、恋の情熱によって引き起こされたトロイ戦争を壮大なスケールで描いた歴史スペクタル大作。監督は『パーフェクト・ストーム』のウォルフガング・ペーターゼン。主演のブラッド・ピットと、『ロード・オブ・ザ・リング』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』で一気にブレイクした新鋭オーランド・ブルームの競演、そしてエリック・バナを始め豪華キャストが勢ぞろい。10万の軍勢が衝突するシーンは圧巻。

こうした時代劇はコスチューム・プレイになって、人物が記号でしかなくなるので苦手。
ここで言うと、民のことを思うやさしい王vs金と名誉ばかりを追うひどい王。勇気ある王子vs弱虫の王子。というようにシンプルなキャラを振られて、そのシンプルさ以上の掘り下げがない。

たまにそのシンプルさがゆえに説得力をもつことがあるけど、稀ですね。

今回の主人公のアキレスは腕がたつけど、わがままで団体行動ができないタイプ。

アキレスのいるギリシヤ軍は悪役タイプで、敵のトロイのほうが中心に描かれる。
主人公が悪役側にいるというのが、このドラマのユニークな構成だ。

トロイの王子と戦うシーンなどアキレスのほうが悪役である。これだけの映画で主人公にあまり感情移入できないというのは珍しい。

そのあたりが少し陰影のある話になっているけど、かえって中心が見えなくて散漫になってる気もする。

トロイの木馬は急に出てきて、トロイ側は敵のものなのに勝手に場内に運び込んでしまう。なにか唐突でそのいきさつはあまりに説明不足。メインの部分をはずしてしまうのはどうしてなのか不可解。

結局、見ものなのは大スペクタクルの合戦シーンとなる。海を埋めつくさんばかりの船なんてのはCGと分っていても迫力ある。もっともこうしたシーンも最近ちょっと慣れっこになって昔ほど感激しなくなった。

なんだCGじゃんと思わずに、CGのおかげでこういうシーンが見られるようになって嬉しいと思いたい。劇場で見たら見ごたえがあったのではないかと思う。

戦いの原因がバカな王子が敵の女を勝手に連れて帰ったことにあり、アキレスも敵の女にほれ込んでしまうと恋愛が結構メインに語られる。しかしそのために味方も平気で殺したり、なんだかひどい話で、恋愛過多もドラマ全体の質を下げているように思う。

けど、アキレスの神話って実際そうだったんだね。それだけは勉強になったのでした。