≪トリブルX≫★★★★★

トレードマークは首の後に彫ったアルファベットの“X”。タトゥーにスキンヘッド、筋肉隆々 これまでのスパイ映画の常識をことごとくくつがえした企画。
イギリスの007を意識したアメリカ版、現代007の登場。
地上120メートルの橋からのスポーツカーダイブ、空前絶後のバイク・スタント、スノーボードをつけての空中ダイビング、高速潜水艦への飛び移り、雪崩のなかでのスノーボーディング。スタントマンの一人亡くなったというと派手なアクションを繰り広げる。
シュワちゃんにスタローン、スティーブン・セガール、ジャン=クロード・バン・ダムにジャッキー・チェン。どれも現役だけど、盛りは過ぎた感じがする。ちょっと翳りのアクション・スター界に新星です、ヴィン・ディーゼル。

私としては拍手喝采ものの映画です。
007のリニューアル版というコンセプトがとても面白い。
「金田一少年の冒険」、「名探偵コナン」、「古畑任三郎」のノリでしょうか。

冒頭エージェントが潜水用スーツを脱ぐと下はスーツ。それでクラブに潜入するがアッサリと殺されてしまう。
潜入した場所が若い人のクラブなので、スーツ姿では目立ってしまったせいだ。
潜水服からスーツに早替わり、胸に赤いバラって007のかっこいいとこなんですが、そんな英国紳士然とした格好でうろうろしていたのではかえって目立ってしまうというメッセージなんでしょう。
かくして007は否定されて、トリプルXという刺青マッチョマンの登場となる。

おなじみの秘密兵器装備の車も出てきますが、たくさん詰め込んでいるわりに、使えるものがなかったりするのもおかしい。
アクションシーンで、パラシュートを開くシーンがあるのですが、すんごいハデハデなアメリカ国旗。これも、007本編ではイギリスの国旗だったシーンがあったような。そのむこうを張っている。
毒薬を発生させる装置があるのですが、これがチープな出来で、こんなとこもあえてかなぁと思う。

見せ場のひとつに敵の監視システムの小屋を、雪崩を起こしてつぶしてしまうところがある。
手りゅう弾を後ろに投げて、起こした雪崩から追っかけられるようにして滑走する。けど、これも、手りゅう弾を前に投げればいいじゃんってことですよね。

アクションのためのアクションというのは好きじゃないのですが、車、バイク、スケボーとぶっ飛ばすものが大好きという主人公、半分は遊び感覚でやってる。

案の定、雪崩には足を救われなかったけど、雪の中に埋まってしまって、敵につかまる。
雪崩も山の上の方で起こすもんだから、小屋はつぶされたけど、中の人間は避難しているんでつかまってしまうんですね。
なんとも間抜けな話で本編の007では考えられないことだけど、それがまたこの主人公の味となっている。そういえば銃の安全装置をはずし忘れるってシーンもあったな。

バイクなどの空中スタントシーンは息を飲む出来で、ジャンプしているというより落ちてんじゃないのという荒唐無稽さだけど、なかなかかっこいい。
インディ・ジョーンズやダイハードなどに並んでおかしくないキャラの誕生に拍手です。

といって、レビューなど見るとB級映画のできそこないといった感想も結構見る。少し中だるみするとこはあるのだけど、面白いと思うのだけどなぁ。やはり007ファンでないとつまらなかったりするのかもしれない。
そうそうエンディングはかなり凝った画面が出てくる。これは、007の芸術的なタイトルバックに対抗したものなんだと思う。そういうのって007を知らないと面白くないのかもしれない。